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shiori

ボクらの時代

更新日:2022年6月11日

6/9(木)曇のち晴


退勤後、図書館で予約していた本を借りて錦糸町行きのバスに乗る。ついさっきまで編集していた原稿に掲載する個人アルバムの写真が、「来日ロシア人研究会」刊行の本にも掲載されていてびっくり。


おばちゃんのお見舞い。先週顔色も良く、私の茶色いTシャツを欲しいと言えるくらい復活して安心した矢先に、また酸素投入。前回より投入量が多い。話しかけると意識ははっきりしている。母と叔父とグループ通話。目を開けるのもつらそうだったのに、画面を見て「これあたしに似てる」と笑って話せて安心。酸素が入った自分の姿を見るのは辛いだろうとこちらの画面はオフにしたかったけど、それではふたりが顔を見れず。また明後日来るね、と部屋を出てエレベーターに乗ると、ひとりのおばあちゃんと一緒になる。お姉さんと待ち合わせをしているらしい。手押しカートに部屋番号と名前が目立つように書かれている。一階に着くと、「おかしいわねぇ。お姉さん、どこ行ったかしらね。待ち合わせしてたと思うんだけど」記憶をたどるにも思い出せないおばあちゃん。どこから来たかもわからなくなっちゃった。お部屋でゆっくりしましょうか、とカートに貼ってある部屋番号をたよりに6階へ。部屋に戻って少し安心したのか、「いろいろわからなくなってきちゃって、心細くてね」旦那さんの遺影とクマのぬいぐるみにも手を振って帰る。


1945年1月1日、3月10日、8月16日の伊藤聖日記を読む。日記なのか?と疑う描写力。コウケンテツさんのトマトのふんわり卵炒めを作って食べながら、川端康成を囲んで三島由紀夫と伊藤聖が話す動画を見る。コメント欄に「史上最も豪華な『ボクらの時代』」と書いてある。いいねのリアクションがたくさんついてた。


おとといから藤井風さんの音楽を聴くようになり、真夜中に小音でピアノ。楽譜付き演奏動画を見つけて0.75倍速で練習。左手のリズムと和音が新鮮でおしゃれ。iPhoneが譜面にもレッスン映像にも変わる時代に生きとるんじゃ。遠くにいる人との面会も、もう会えない人たちの鼎談も、料理家のレシピも見れちゃう機械を、ふと手放したくもなる。



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