• shiori

世界はすべて劇場なり

10月2日(土曜日)晴 


台風一過の青空。30℃を超える真夏日との予報。アミモノバッグを提げて、早稲田駅へ。

高校生の頃、NGOのイベントで早稲田奉仕園によく行った。キャンパス内の思い出は、受験日以外でも授業に潜ったり、学園祭も行ったような気がするけれど、あまり記憶がない。

前回歩いた時は、どこもかしこも工事中だった。それってもう10年前くらいのはなし?


昨日開館した村上春樹ライブラリーへ。

岡田さん、田中さんと現地集合。予約時間まで、カフェでお茶。

カウンターの前で、あたりを見回す岡田さんは、落ち着かない様子。

「この4号館は、所属していた映画サークルのたまり場だったんですよ。そうそう。僕たちが占拠していたのはちょうどあのあたり…って、え!いまや春樹の書斎になってる…!」


すっかり様変わりした建物の中で、変わらない場所を見つめながら、岡田さんはしみじみと紅茶を飲んでいる。腕には、田中さんから贈られたApple Watchが万華鏡のような光を放っている。「大川さん、携帯変えました?」と、正面に座っている田中さんから、アクリル板越しに訊ねられる。「もうずいぶん前です、半年前」。それからずっと、愛犬クリームの話。


「今日まだオープンして2日目でしょう!?この建物の中に、春樹いるんじゃないの?」

いよいよ入館前、建物に入るハルキスト岡田さんはいつになく興奮している。


ひと通り館内をめぐり、最後に階段本棚を眺めていると、はて。見覚えのある一冊が。

「戦争と生死」のコーナーに並ぶ14冊に「なぜ戦争をえがくのか」を発見。

スタッフの方に、写真撮影をお願いすると「ハイ、ハルキ〜!」と何枚もの写真を撮ってくださった。マスクをしながら「ハルキ〜!」と心の中で叫んだ、3人の満面の笑みがカメラロールに入る。


こんなことがあるんだ…と、最後にサプライズが待ち受けていた感慨に浸りながら、ライブラリーを出る。

岡田さんが初デートをした思い出の場所、演劇博物館へ。

入館料を払って、この場にいたいと思う空間に飲み込まれる。


演劇博物館日記を読む。

八月十五日(水曜日)

「正午、聖断により休戦の詔書下さる。嗚呼!我ら何をか言はん。ただ新発足あるのみ。」

「嗚呼!我ら何をか言はん。」の12文字に込められた想い。戦中、戦後も演劇博物館へ出勤する日常の一端を日誌で覗く。


金色に染まる夕焼け雲を眺めながら、高田馬場駅まで歩く。

学生の頃、この辺りの古本屋巡りをしていた田中さん。居酒屋で映画談議をしていた岡田さん。ピースボート事務所へ通っていた私。

「戦争」か「日記」以外のことで、集まることは今までなかった3人だけど、今日も「戦争」と「日記」に出会った。


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