寒さで身震いする朝。ベランダの琉球朝顔が一面紫色で、30度超えの真夏日と錯覚する。気になって調べてみたら、秋になると昨日咲いた花が翌日も咲いていることもあるよう。まだ半袖を着る日があると思って、衣替えをしていない。でも秋はもう中盤に差し掛かろうとしている。
陽だまりのベランダで、落花生の収穫。
シャベルでそろそろと土を掘り返し、白っぽいものが見えた!と思ったら、モニョっと動く幼虫を起こしてしまった。結構大きいように見えたから慌てて土を被せ、葉っぱの根元を引っ張り持ち上げて、またそろそろと掘る。土の塊をかき分けていくと、出てきた出てきた。
勢いよく伸びる葉をぐるぐるとプランター内に回転させ、みなみからもらったひと苗に毎日水をやり、2、3回土寄せをした。そうして実らせた10個の落花生。すぐ塩茹でして、うまれて初めて育てた落花生を食べる。
ほくほくとやわらかい。噛むごとにほんのり甘さが広がる。柿の種のピーナッツも、これくらいやわらかくて甘かったら、醤油味のあられと同じくらい喜んで食べられる。
食後に、落花生の実入りが少ない場合のアンサーで「葉が真っ黒になってから私は収穫しています」とアドバイスをしている人のコメントを読む。もう少し待ったら、もう少し食べられたのかな。でも美味しかったから、今日がベストだったのだと思う。
緊急事態宣言が解除されたことで、先週から会場で手話講習。のんびり夕飯を食べていたら、遅刻ギリギリに。
今日はいつものように復習からではなく、いきなり前に出て自己紹介。
聴者は会話だけでコミュニケーションができても、ろう者は手話で会話をするから、いつでもまわりの注目を集めてしまう。注目を浴びるということに慣れるという意味でも、前に出てマスクを外し、フェイスシールドでひとりずつ手話で自己紹介ができるようにしましょう。
名前、家族、趣味、職業、住所をこの半年で言えるようになった。
4月からほぼzoomで講習を受けていたから、いつも部屋着だった人がスーツを着て前に立っているだけで、別人のように見える。背が高く見えた人が意外に低かったり、おとなしそうに見えた人が、声を上げてよく笑いながら手話をしているのを見るのはたのしい。
顔が文法の手話。
真顔で「好き」「嫌い」「得意」「苦手」などを表す手話を表現しても、先生に伝わらない。「うどんが大好きです」と表現し、伝わった時のよろこびは、幼い頃に憶えたことばが通じた時のよろこびに近いような。
「自然」を表す手話は、ひらがなの「し」と表すのだと憶えていたら、反対向きの「J」だった。オンラインのままだったら、ずっと「し」と憶えたままだったと思う。
帰り道は寒すぎて、いち早く帰宅しようと自転車のペダルを思いっきり漕ぐ。行きは気がつかなかった選挙ポスターがあちこちに貼られている。投票で変わったほしいことがたくさんある。
今日の東京都の感染者は、29人。今年いちばん少ない。全国で232人。16県で0人。1年ぶりに300人を下回る。このまま減少理由がわからないまま、次の波を迎えることになりそうなのは、気持ちが悪い。よい予感より、わるい予感の方が大きいということを憶えていようと思う。