8月15日(日)雨。
東京ステーションギャラリーで開催中の「木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 アイヌであればこそ」展へ。関東大震災と東京大空襲を免れた煉瓦壁に囲まれた空間で、北海道の大地で育った大木からうまれた手彫り熊と対面する。
想像以上に、素晴らしい展示だった。どの作品も温もりと豊かな記憶と歴史を纏っていた。
藤戸さんは木と対話しながら、スケッチやデッサンを描かず、頭のなかで思い描いたイメージに向かって彫り進める。編み図がないマーシャルのアミモノのよう。
熊、狼、鹿、狐。一頭一頭、対面するごとに体温が上がっていくような。眺めているだけで、温もりと忘れていた感情が呼び覚まされていく。
木は生きているから、経年劣化やヒビ割れで、元々はつないでいた手が切り離されてしまっている作品もあった。それもまたよし。
今にも動き出しそうな、ココナッツの匂いがしそうなヤシガニもいた。
「狼と少年の物語」の展示は、物語とともに彫刻を見るという初めての体験をした。素晴らしかった。ひとりでも多くの人に勧めたい。
15時半。TBS『戦後76年「つなぐ、つながる」SP へいわとせんそう〜戦場からのメッセージ〜』を見る。
佐藤冨五郎日記が戦場での餓死を伝え、次世代につなぐものとして紹介される。
スタジオにいるりゅうちぇるさんが「今、ちゃんと勉さん読んでるよって言ってあげたい」と冨五郎さんへの想いを口にされた場面が胸に迫る。
番組エンディングでも、冨五郎さんの日記が再び紹介された。勉さんの「伝えるほかないんだよね 次世代に」ということばから番組内で軸となっていた谷川俊太郎さんの詩「へいわとせんそう」へとつづく。そのシームレスな構成は、谷川さんの詩「朝のリレー」も想起させた。
1940年以前生まれの戦争体験者は、9.2パーセントになったという事実をどう受け止めるか。
テレビの取材で「コロナや戦争で、人が死なない世界になってほしい」と小学校低学年くらいの子どもが答えていた。
タリバンがアフガニスタンを一気に制圧。マスードが生きていたら、どうしていただろうか。
午後、緊急入院した岡田さんに番組の動画を送る。退院日はまだ未定。
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