いつもより1時間早く目覚めて、30分早く布団から出て、15分早く出勤する。
それだけで今日はいい日だと思いたいけれど、締め切りを延長更新し続けている原稿をまだ戻せていない罪悪感がべっとりと張り付いている。
朝ごはんを食べながら読んだ新聞の一面記事に、懐かしいネクタイをした高校生の姿があった。スカートの色とプリーツの数を見て、間違いないと確信。「新型コロナ 後遺症悩む16歳」という見出し。二学期から登校できるようになったけれど、体の怠さや微熱が続いて「当面の目標は、一週間続けて登校すること」。
毎日が文化祭のような高校生活だった。1日、2日でも休んだら、置いていかれてしまいそうな気持ちになるのがよくわかる。あと16年、遅く生まれてきていたら、私も同じような目標を抱えてどこかで暮らしていたかもしれない。
同僚がテイクアウトしていた手打ちうどんの写真を見て、昼休みうどんを買いに走る。
温玉冷やしうどんに、アスパラガスの天ぷらをトッピングにつけた。揚げ立てで美味しかった。
岡田さんがクリームを預かってくれていた方へ、御礼に簡単なアルバムを作ったと写真が届く。あれ、引渡しをしたのはいつだっけ。思わず指折り数えてしまう。昨日は祝日。引き渡し日も祝日だった。今週は時間の感覚が少しおかしい。とはいえ、やっぱりまだ4日前。
この夏は、いろんなことを超越している。
3歳の友人が書いた、人生初の絵日記を読ませてもらう。
「にわであそんだ。おえかきしたよ。1234567891011121314かいた。151617-」
彼が描く、人物画が好き。色使いも、曲線も。いつも惚れ惚れしてしまう。
夜ご飯を食べた後、「美の壷」でやっていた草木染めの特集を途中から見る。
染色家が、川の水で草木染めした糸を「濡れ色」に染め上げる。
水と風と光と、時間。その一瞬、染め上げられた色との出会いに息を呑む。
糸を紡ぎ、染め、織る。その一連の工程すべてに宿る祈りの歴史を知りたいと思う。
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