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Honesty is such a lonely word

minami

2021年7月31日。


昨日から『keememej』の配信が始まり、今日でもう終わり。今回は届くべき人に届けばいい、と思っていたけれど、アーヤさんのこまめな告知投稿のおかげで予想以上に順調だ。

短い時間なのにすぐに視聴しておすすめツイートをしてくれる方も少なくなく、本当にありがたい。当たり前のことじゃない。





この週末は月曜締め切りの原稿を進めたいのに、家族の予定も無視できず全然時間が取れない。映画が落ち着いたらやろうと思っていたこともいきなり目の前に迫ってきて焦っている。音声ガイドの新しい案件も今回は断っておいてよかった。いけるかも? とか思ったけど受けてたら毎日徹夜でも済まされないくらいになっていたと思う。あぶない。


父の定年退職祝いの贈り物を選ぶ。記念だから食べ物やお酒とかよりも残るもののほうがいいのだろうか? だけどグラスとかはたくさん持っているし。でも母と2人で食べ物も余らせがちだし。悩んだ末に、最近20キロ減量した父に少しスリムなシャツと小物を送った。なんだか退職祝いよりダイエット成功祝いみたいになった。


父のプレゼント送った? とリマインドしてくれた妹から、お姉ちゃんは誕生日なにが欲しいの? と聞かれる。妹は贈り物が上手だしマメでえらいなと思う。選ぶのも大変だし最近はお互い具体的にリクエストしあうようになった。去年はイッタラのワイングラス、その前かいつかはコールマンのランプをもらった。もう欲しいものが思い浮かばない。一旦スイッチが入れば無限に思いつくのだけど、いまはそのモードに乗れていない。しばらく悩んだけど返信せずにおわる。


首相の記者会見を見て落ち込むのは何度めだろう。記者からの質問に答えていない。何を聞かれても、いまやっている、できていると思う、ということしか言わない。質問にズバリ答えてもらえないと、国民がばかにされている感じがする。「正直もうどうしようもないんです」とかでもいいから、血の通った言葉が聞きたい。誠実さを感じたことがない。誠実さを感じてもらおう、と思っていないように見える。意見が違ったとしても、誠実さを伝えようとは思っていて欲しい。けど、そう願うのももう疲れてしまったほど、こういうやりとりが繰り返されている。こわい。というのももう通り越したし、呆れ、というのももう通り越したし、もはや単純にストレスを感じる。


"オリンピックは感染拡大の原因ではない、むしろステイホームに一役買っている、ワクチンの接種はどんどん進めているから大丈夫なんだ、なのに若者が打ってくれないし遊びまわっている"、これがいまの政府の言い分だ。私が見ている社会の様子とは全然違う。それに、おかしいのでは、と声を上げるとすぐに「政府を批判したいだけ」「反対派が選手を中傷している」などと言ってくる人々がいる……こわい。過激派でなくともあらゆるところで分断が起こっているのがわかる。このことが新型コロナ自体よりおそろしい。そしてこういうことを言うだけで、善良な市民に見える人からも「藤岡みなみどうした」「藤岡みなみがおかしくなってる」と囁かれる。おかしくないぞ、と思うのに、もう何も言うのをやめておこう……となる。結果、口を塞がれている。


こんなこと書きたくないし、考えたくないけど、これは2021年の夏になにが起こったのか未来の自分に伝えるための日記だから書いている。20年後、30年後は、誠実さが重んじられ、命や尊厳が守られて、対話の力を信じられる社会でありますように。



21時から第2回トーク配信。熱量のある感想が集まる。こうやって戦争について、歴史についてまじめに、でもフランクに、だけどやっぱり誠実に話せることが嬉しい。それこそが目的なのだと思う。アーヤさんが住んでいる沖縄の話もしたかった。沖縄の人はこの作品をどう観るだろうか。沖縄の劇場で上映したい。


配信後、今後のざっくりしたスケジュールを3人で共有する。まだまだやることがある。2日間で得た手応えと希望を北極星にして、最高のチームで進む。








 

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