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つじつまの合う物語

来月、海軍特別年少兵として駆逐艦「雪風」に乗った西崎信夫さんのお話を聞く会があると知り、メールで参加申し込みをした。

一時間後、主催の方から年齢と心意気を聞かれた。

会場での参加人数に制限があり、若い人に聞いてほしいという西崎さんの願いから、全体の様子がわかってから参加受付の返信をしたいとのこと。

ぜひ若い人を優先してほしい。願わくば33歳も若い人枠に入ってほしいと祈りつつ、心意気も記す。

戦争を知らない世代が、日記を通して戦争を知ること。

15歳で出征した西崎さんが、当時日記を書き綴っていたことで、80年近く前の出来事でも細部に至るまで、ありありと語ることができるという点に関心があります。


10分後、回答がきた。

年齢は十分お若いです。

まもなく95歳になる西崎さんは、今も日記を欠かさず書かれています。


ますます会場でお話を伺いたいという思いを強くする。


テレワーク終了後、取材を受ける。

待ち合わせの喫茶店で着席すると、すでに同じフロアで記者さんは準備をしていた。テーブルの上には、付箋のついた「マーシャル、父の戦場」と「なぜ戦争をえがくのか」、原田豊秋さんのご家族と勉さんが対面した毎日新聞の記事。

こんな風景を目にすることができるなんて、なんてしあわせで、ありがたいことなんだろうと思う。

本を読んで、映画を見たいとご連絡をくださったのはおととい。急ぎお送りした映画2本も観てくださっていたから、とても話がしやすかった。

「しかし、このみずき書林さんの熱量、本当にすごいですね。「マーシャル、父の戦場」もこんなにたくさんの人がいて…」

はい。みずき書林の岡田林太郎さんとの出会いがあって、この本があります。


改札で記者さんと別れ、西崎信夫さんの著書「「雪風」に乗った少年」を書店で探す。

検索機で検索をかけると、在庫切れ。本はよほどの急ぎでない限り、版元や応援している書店のオンラインショップ以外は実店舗の書店で買うと、この夏の書店イベントを通して決めた。

「なぜ戦争をえがくのか」を戦争コーナーで見つけ、何か買って帰ろうと店内を徘徊する。

去年の今頃、大林監督の本が立て続けに2冊出たときに買った映画コーナーの前に立つと、見たことのない分厚い本と目が合う。

「大林宣彦メモリーズ」2021年4月発売。

4月は新しいことを3つ同時に始めた月だ。迂闊だった。

尾道の海を背に、カメラを持つ監督の表紙を眺めながら帰宅。

三上喜孝先生はもうとっくに読まれているだろうと思いながら郵便受けを開けると、三上先生からの郵便物が入っている。映画的。


去年大反響で幕を閉じた企画展「性差の日本史」が新書版として帰ってきました。

無署名ですが、第一章の一部を書いています。


私がもらっていいものなのかと戸惑いつつも、今、両手に、この二冊が並ぶことは必然。


「性差の日本史」エピローグ「ジェンダーを超えて」で、村木厚子さんは「歴史は変わる、変えられる」ということを勉強するのが大事ではないか、と述べている。

大林宣彦監督も、「映画で歴史を変えることはできないが、歴史の未来を変えることはできる。 歴史の未来とは戦争なんてない平和な世界。 それを皆さんが与えてくれた、すばらしい映画の力で手繰り寄せていきましょう」と述べている。


迂闊だった4月の自分を恨んだけれど、今日、つじつまがあった。


「人生とはつじつまの合う物語」

発売直後に「大林宣彦メモリーズ」を読まれていた三上先生が、大林監督から学んだ大切な言葉のひとつ、と教えてくれた。



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