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偶然と必然のあいだ

来月早稲田にオープンする国際文学館、村上春樹ライブラリー。

オープン2日目の予約が取れて、ハルキストの岡田さんに案内してもらうことに。

館内のカフェを運営する学生は「これを機に作品を読んでみる」とインタビューに答えていた。私も読破した作品は指折り数えるほど。岡田さんによる「ほんとうにおすすめの春樹本」のうち、短編「神の子たちはみな踊る」を昨夜読み、長編「ねじまき鳥クロニクル」第1部を150ページまで読んだ。

読みやすい。だから最後まで読みたいと思う。でも、やっぱり私は彼の性的な描写や唐突に告白してくる感じが好きになれない。「神の子たち」の終わり方も、地雷を踏んだ感というか、それまでの話が台無しにされてしまった感じがした。その後何もやる気が起きなくて、生理もきたし、早めに電気を消して寝た。


今朝、ラバウルで敗戦を迎えた元日本兵が詠んだ短歌に、鼠の唐揚げが出てきたと田中さんからLINEで新聞の投書欄が送られてきた。私は次の短歌を懐かしく詠んだ。


椰子の実の若きコブラは烏賊の身に似たればいか刺しと呼びて食ひたり


11時。電話取材を20分ほど受ける。総裁選で紙面の状況が読めないけれど、早ければ今月末に掲載予定とのこと。楽しみ。


昼過ぎ、賞味期限が切れた、非常食用のお粥を食べる。


今日締め切りの、戦争社会学研究会のレジュメを作る。

報告時間は20分。「盛り込みすぎない方がいいですね」と、先日打ち合わせ後に寺尾紗穂さんと短いやりとりをした。歴史実践という言葉の定義をめぐる議論が、窮屈にならないといいなという私の懸念を察したように、紗穂さんは「言葉ってしょせん言葉ですからね。こだわりすぎるとずれていく部分ある気がします」とアドバイスをくださった。何を書こうと悩んでいたら、共有フォルダにすでに紗穂さんが提出した資料が上がっていた。エッセイもある…!贅沢な資料。

ようやくスイッチが入り、A41枚のレジュメを作る。はじめに、から始まる偶然の重なりがすべて必然に思えて仕方がなかった。

23時55分くらいまでうんうんとPCを抱えることになると朝は想像していたのに、15時に提出できたのが清々しくて、海の匂いがする風に吹かれながら30分昼寝。

起きてまた少し「ねじまき鳥」を読み、鶏もも肉のローズマリー焼きを作る。


夕食後、明後日締め切りのバリアフリーの字幕制作。

普段は見ないバラエティー番組。「ツッコミの頭をしっかり入れてあげる。今はボケよりツッコミに笑う時代」と講義中に書いたメモを読み返す。

全部に入れたらキリがない(笑い声)を入れる箇所に迷う。


23時。ETV特集「東京の生活史」を観る。

懐かしい場所の記憶に手を伸ばしながら、知らない人の生活史の断片を知る。

河川敷で暮らす人の語りを聴きながら、父の顔が浮かぶ。

「偶然と必然のあいだ」に、今日の一日がある。

今の生活に課題をあげたらキリがないけれど、じゃあ戻りたい瞬間があるかと聞かれたら、ないと断言できる。であるならば、私はもっと今の生活をまっすぐに愛していいんだと気づく。

いつか、マーシャルで出会った人の生活史本を作りたい。

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