2/14(月)
午前3時、子どもが「うんこ」と言う声を聞いて飛び起きる。
急いで1階のトイレに連れて行ったけどおしっこだった。うふふ、となんだか嬉しそうにしている。ねよねよ、と寝室に戻る。
発表会なのにダンスの振り付けを覚えていない、学校に来ていく服が思いつかない、でももう家を出ないと遅刻する……という夢を見る。ずっと焦っていて疲れた。
午前、来週締め切りの原稿を1時間だけやる。手をつけるだけ偉いよ、と自分を過剰に褒める。
キャベツのペペロンチーノ、もやし水菜スープ、青椒肉絲を作る。
遠くの無人販売所まで散歩、往復2時間。切り干し大根しか売ってない。
企画を考える。昨日まで全部面白いアイデアだと思っていたのに、今日はなんだか陳腐なわりに実現不可能なものばかりに見えた。
吉報が舞い込む。ありがたい。自分の実力や労力というよりもラッキー要素が強い。むちゃくちゃ嬉しいはずなのにとても冷静。
石川淳『普賢』を読む。めちゃくちゃ読みにくい。あまりにわけがわからないので途中であらすじや登場人物を調べたけれど、それでも頭に入ってこない。検索すると誰もが読みにくいと言っていて安心した。このメタでカオスで読みづらい文体が特徴らしい。
我慢して読んでいるとたまにかなり印象的な文章に出会う。
「字をならべる、それが何かをあらわす。不思議な習慣があったものだ。その代り、おれにはアルコールがある。アルコールの中でもとくにまずい焼酎が。このまずさで人間くさい精根を削り落とすのがわが転生の秘密さ。アルコール。と、たちまち……いや、この秘密は語るまい。今やおれは宇宙の魑魅魍魎だ。」(石川淳『普賢』)
なに言ってるんだろう。と思いつつ面白い。カルト映画のような味わい。
お酒を飲みながら読むとわけのわからなさにドライブ感が足されて良い。たまになにかが光るので、宝探しのような感覚。
少し踊って寝る。