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  • shiori

0.033秒

4つかけたアラームの1つめで飛び起きる。毎朝評価される締め切りがあれば、何個もスヌーズをかけず、5時にシャキッと起きられる生活を送れるのだろうか。こんな緊張感のある朝を毎日送るのは心臓に悪い。でもこのスリリングさが嫌いじゃない自分もいるのがこわい。


今日が在宅勤務であることをいいことに、時間までバリアフリーの字幕課題に取り掛かる。正解がひとつじゃないから、奥が深い。だけど1分前まで粘るのはもうやめたい。

案の定、提出時にミスをした。メールに添付するテキストファイルの拡張子は、txtで提出する。でも、なぜか今日に限って、RTF変換で保存されてしまい、文字化けテキストを送ってしまった。近頃、お詫びメールをすることに馴れてきたのもよくない。


カット変わりのシーンで、音声がカットをまたいでいる時の処理にまだ時間がかかる。

1フレーム(=だいたい0.033秒)を1,2,3,4....とカウントしていく作業では、普通の再生速度で作品を見ていたら気がつかない、演出意図に気づく。注意深くなればなるほど、視野が広がる。目首肩の疲労もたまる。


昼休み、ほうれん草と卵のうどんを作って食べる。

ヒガシマルのうどんスープは、今日もやさしい。

お皿を洗いながら、昨夜、今野書店で仮設営した作品展示について考え直す。


退勤後、オンラインで長崎の小学校の先生と打ち合わせ。

小学5年生の総合学習の時間で、話をしてほしいと依頼を受けた。

長崎県内とはいえ、小学校がある野母崎は、市内から少し離れたところにある。

美しい海と豊かな自然に囲まれて、のびのびと育つ子どもたち。生活圏内に原爆遺構がないから、原爆の歴史もどこか遠くに感じるという。

でも子どもたちの歴史を「知りたい」という欲求は強い。「自分たちに何ができるか考えたい」「知らないことをどうやって伝えたらよいか考えたい」という声が、授業後のペーパーにたくさん書かれているという。


7年前の夏、初めて野母崎を訪れた。マーシャルから一時帰国中だった。

マーシャルのラグーンと同じ色をしている海を前に、息をのんだ。

晴れた日は、ここから軍艦島が見える。

この場所でカフェを開いたオーナー夫妻に、後日アミモノを贈ったら、店内に飾ってくれた。アミモノフラワーやピアスも置いてくれて、マーシャルとつながる空間がうまれた。

その奥さんが、今年から地元の小学校の先生になって、今回の授業企画につながった。


打ち合わせ後、髪を切りに行った。洗髪の後、二冊の雑誌を渡された。一冊の表紙に、ショートヘアの中村アンがいて「これくらい」と伝えたら、期待通りの長さに切ってもらえた。


さっぱりした帰り道、クネクネと歩く少年が前を歩いていた。

左手に算数のプリント、右手に鉛筆、カバンなし。身軽でいい。

少年は右手に曲がり、くもん式の教室に入っていった。

教室内では、マスクにフェイスシールドの先生たちが採点をしている。

見慣れた光景を見ているはずなのに、どこか懐かしい風景にも見えた。

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