2021年2月1日

2021年2月1日

昨夜からそわそわとしていた。 明日からあたらしい人生をスタートさせるんだという気持ちで溢れていた。 一ヶ月前の大晦日は、わくわくした気持ちを持つ余裕がなかった。 ひと月前の自分が、もう知らない別の人みたい。 年が明けてから、毎週土曜日のお昼、みなみとオンラインで話をしている。 今、わたしたちはあることに挑戦するため、勉強をしている。 昨年出したいと思って出せなかった『タリナイ』のDVDの話がきっかけだった。 これからのことも考えて、勉強しようと、あたらしい挑戦にふたりで一歩を踏み出した。 一月の二週目にオンライン新年会をして、話をしていたら挑戦してみよう、という流れになり、調べたらタイミングよく今月からオンライン授業が開講されることを知った。 すでに説明会は終わっていたから、駄目もとで問い合わせをしてみたら、個別に説明会を開いてもらえた。 ひと足先に参加しているみなみの授業が終わる頃、わたしはパソコン画面の前でみなみが現れるのを待つ。 先週宣言したやるべきことが終わっていなかったら言い訳を考えて、 まだ間に合うならひとつでも終わらせようと、土曜の朝が途端にいそがしくなった。 おとといは、ずいぶんと未来の話をした。 この一年、明日もコーヒーの味がして、深呼吸ができますようにという願いが叶うよろこびを噛み締める毎日だった。 今年もそれは変わらないけれど、2021年は、まだ先が見えないからね〜と言って、心の声に蓋をするのはやめる。 みなみはあと100年青春するつもりだと言っている。 わたしは昔から自分が短命だと思って生きている。 真逆なようだけど、根底はつながっていると思う。

立春

立春

立春って私たち春眠舎にとってなんとなく縁起が良さそうな二文字だ。 今年は特にそんな気分。春が立つ。 大川史織と藤岡みなみで2016年に結成してもうすぐ5年。 主な活動以外に水面下で動いていることも多いけれど あまりにも水面下すぎるのでゆるい報告がてら記録していくことにした。 ゆるくたのしく続けていくための交換日記形式。 しおりの1回目の投稿に「あることを勉強することにした」とあるけれど、 そう。あることをね……いま、学んでます。 そんなに隠すことでもないのに意味深な言い方しちゃったから、 このままだと言うタイミングを逃すやつだこれ。 一応3ヶ月で修了なので終わったら詳しく書こう。 週に1回オンライン授業を受けていて、課題の量にちょっとあわあわ。 課題が終わらないと仕事ができないし仕事が終わらないと課題ができない、 という感じでてんてこまいだけど、負けへんで。 今年の春眠舎は、日々の忙しさや未来の不透明さに流されないぞ。 お互い1人だとやりたいことなのにずるずる後回しにしてしまう ことも多いから、励ましあって着実にすすめていく。 春眠舎はお尻たたき合いシステムでもある。 梅の枝を買ったよ、咲くのが楽しみ。

彼女は多忙

彼女は多忙

しおりが書かないから私が更新しちゃうぞー!いぇーい! これは春眠舎の、気の抜けた記録用日記なので。せめて覚えていることを書いておこうと。 だってしおりは忙しいんです。 新刊のトークイベントや取材もたくさんあるし、執筆しなきゃいけない原稿もあるし、しかも4月から字幕ガイドの養成講座、ニヴフ語の講座、手話の講座を受けている。もちろん働きながら。 忙しすぎるやろ。でも全部楽しいんです。彼女に趣味はないそうです。あるのはライフワークだけ。ものすごく楽しいんです。 そんななか、一番やらなきゃいけないことは新作『keememej』の編集という!!映画の編集なんて、ほかになにひとつ予定がなくてもものすごく時間がかかる作業。 『タリナイ』ではよく編集合宿をしていたね。もう3日、しおりがうちから帰らない。でもそろそろ帰ったら?とは言いづらい。しおりが私の家を出発し私のワンピースを着て岩井俊二監督に会いに行っていた。黒いフクロウのワンピース。似合ってました。 深夜まで一緒に編集できた日々は、いま思うと本当にかけがえなかったね。 今回は基本リモート。前回顔を合わせて編集したのはなんと去年の3月なんだよね。今回も、すごく時間をかけて作っているな。時間がたてばたつほど俯瞰で見られるようになったりバランスがわかるようになっていく利点もある。 最近はしおりが編集してアップロード、つぎに私がコメントを入れていって、それを見ながらリモートミーティング。またしおりが編集。また私が意見、という、繰り返し。会わなくても進められるというのは便利な世の中ではあるが、しおりの労力がさらにかかる方法だ。本当は夜食作ってあげたいしワンピース貸してあげたいよ。 そんなわけでしおりは忙しいんです。 新作の完成、バリアフリー化、公開、公開イベント、DVD発売、それを全部この半年以内にやろうとしている、無茶苦茶な我々。しかも、しかもですよ。『keememej』の次の新作も準備しているんです。無茶だ。しかもしおりの心はけっこうそこに注力してたりする。なんでだよ。いや、でもわかる。すごく「いま」が大事な作品だから! こんなに手一杯でも、しおりはまだまだ先の夢をどんどん語る。風呂敷を広げ続ける。ありがとね。 まあ交換日記だけど、書ける人が書きたいときに、ゆるく記録していければいいよね。 そんなこと言いつつ、妙にタイミングいいんだか悪いんだかでしおりが同時に日記を更新していたりして。とか思う。ドキドキ。

めっちゃ笑った

めっちゃ笑った

新刊届いた!!おめでとう!!! 「完成した、すぐ送る!」ってダッシュで投函してくれたのに、2日経っても届かないからどうしたのかと思ったら案の定しおりの元に返送されてて笑った。 春眠舎という名前、しおりの「し」とみなみの「み」も入ってるし、やわらかくてさわやかでいいなあと思って付けたけど、眠ってるような2人という意味にいちばんぴったりなネーミングだよね。私もよくやっちゃう、サイズオーバーで返送。 本の感想はゆっくり伝えるね。1日1章ずつ読んでると、一緒にゆったり旅してるみたいでいい感じだ。装丁の透き通った海から波音が聴こえてきそうで、これはきっと船旅。 綺麗な本だから一瞬抵抗あったけど、グっときたところにどんどん折り目をつけてる。好きな箇所をまとめて伝える日が楽しみ。 みずき書林の特設サイトにこの本を基にした架空のミュージアムが出現したこと、それから昨日ちょうど私が札幌国際芸術祭の配信に出演したこともあって、この本もひとつの芸術祭なんだなって思ったよ。しおりって本当に打算じゃなく、言葉や意味よりもっと前のところで人や想いをつないでいくから面白い。想定しないし想定外のことしか起こらない。"直感は経験に基づく"って私の好きな言葉だけど、しおりが大切にしている経験があるからこそのアンテナだなあ、まっすぐだなあ 祈りだなあっていつも感じる。 そして去年頑張って申請したものが最近通って、2021年の翼を得たぞー!(言えないことが多くていつも思わせぶりな日記になりがち!) 去年の私たち、ありがとう。来年の私たち、待ってなよ。いいもんみせてやるぜ。 梅咲いた〜。いっぽん白でもういっぽん赤でびっくりした。着実に春きてる。ねむい。

光陰矢の如しすぎる

光陰矢の如しすぎる

ヒヤシンス美しい!なんか強そう。 こちらはミモザ。 長持ちするように調べていろいろやってみたけど、翌日にはもうフワフワじゃなくなってた。 1週間はやい…… 先週はタイムトラベラー養成講座、本当にありがとう。おかげさまでとてもいいスタートになりました。歴史実践(タイムトラベル)の輪、広げたい。 配信後、二人して夜中まで反省してたのが面白かったよね。いつも会話してるからお客さんにとっては説明不足になっちゃったり、お互い心を開きすぎてて余計なこと言ってしまったり、そういうのをあとでうじうじ悩む我々……でも、今後やりたいこともたくさん思いついたのが嬉しかった。映画祭。ツアー。つくりかけの作品が2本。そう、私たちは夢みるのが得意。そしていままでだったらあんまり公言しないけどあえてここに記録しておく。夢じゃないよ、やるんだよ、いままでだってそうしてきた。ただちょっとスピード上げないと、やりたいことは無限にあるから人生が足りなくなるので……まずは本の感想をさらにじっくり話す会もやりたいな。 昨日、宇宙をテーマにした第2回タイムトラベラー養成講座のあと、しおりがメールで 「歴史と空間の捉え方が広くなると、やさしくなれるという黒田さんのことば、マーシャル人の歴史を実践する生き方や、わたしたちとの出会い方から感じたことと、つながったと思ったよ。」 と話してくれたのもすごく面白くて、忘れたくないからここに書いておく。 そこそこ郊外に引っ越して、窓を開けるとどこからともなく牛ふんのにおいがする。いやじゃない。暗くなると、はるかかなたの星が丸見え。 数年前に一緒に沖縄で見た夜空、綺麗だったね。 海岸にほたるがいる!光った!と思って急いで近くまで行ったらアイスキャンデーの袋のゴミが月明かりに照らされていただけだったね。

て

3/1のB&Bでの土門蘭さん・遠藤薫さんとのトークイベント、拝見してとても面白かった! 遠藤さんの面白い質問 「世界が自分だというとき、自分以外何もないという状況の中で、ここだけが、ここがなくなると自分じゃなくなる瞬間って……例えば目とか鼻とか口とかどんどん消していって、これを消したときに自分がいなくなる、これ!っていうのはなんですか」 土門さんは「お腹」と即答、遠藤さんは「目」、しおりは「耳」と言っていたね。 聞きながら、私だったらなにかな〜と考えたとき、パッとうかんだのは「手」だった。これってひたすら感覚的で不思議だ。 しおりが「耳」なの、ちょっとわかる。耳を澄ます感じ。声なき声も聞く感じ。世界に対するやわらかくて繊細な寄り添い方というか。 私はなんで手なんだろ〜いくら考えても後付けでしかないけど、なんでもさわりたい気持ちはあるかな。手触りが大事。そして想いがうまれるのが、なにかを体験している瞬間よりもそれを書いている瞬間のほうだったりする。書く、ということがつまり思考することなんだよね。 このブログ、「日記をやろう」ってはじめて、続けるために交換日記にしようってなったけど、結局いまのところ日記より手紙っぽくなってる。それもいいけど。日記的なことを書いておく。 今日は朝起きて平べったいフレンチトーストを焼いて、散歩して、KONISHIKIの太ももより太いんじゃ?という大根がたくさん生えてる畑を発見して、帰ってお絵描きして、絵本屋さんごっこして、お昼に三色丼作って、ニセ札つくって、ネットスーパーから届いたものを消毒して、え、これ頼んでないよね?ってもの(野菜ジュース1ダース)が入ってたからお問い合わせフォームをさがして、電話しろって書いてあったからあとでするか……となって、かくれんぼして、トイレトレーニングして、ニセ札つくって、鰤の照り焼きと牡蠣のオイル漬けがメインの海の幸晩御飯を作って、寝かしつけをお願いして、今日締め切りの原稿を書き上げて、いま!という感じでした。ニセ札はこういうのです。 カレンダーみたら明日しおりとリモートミーティングする日だ。それぞれの課題図書から取材させていただきたい人の候補を伝え合う回。 音声ガイド講座もついに今週でラストだよ。 本編の遠隔編集がんばろう。 冨五郎さんお誕生日おめでとうございます。

わたしが一番きれいだったとき、

わたしが一番きれいだったとき、

マスクをして首を傾げていた。 くもり。雨の予報だったから家でお花見ごっこをした。お花は例によって無人販売所の。 しおり、keememejの編集進んでるかな?なんて思いつつ。 でも前回私が流れを止めてしまっていたし、「どう?」なんてメールしたら余計プレッシャーかもしれない……と踏みとどまる。 でもやっぱり制作楽しいね!わっかんないなぁと思いつつ、少しずつ光が見えてくるのが。ちらちら見えるかすかな光をめざして一緒に旅できることが嬉しい。ドキュメンタリーにはどうしたって作為が入り込むけれど、自分たちの意図も超えた「ここにたどり着けたんだ」というのがきっと今回も生まれると確信しているよ。 昨日で音声ガイド講座のすべての課程が修了した!バトンタッチ! 先週でタイムトラベラー養成講座も終わったし、いまは少し気が抜けている状態です。 おかげさまで充実した2021年の1/4を過ごせました。時の流れのはやさが書いていてちょっと怖い。 聖火リレーがはじまってしまった。まさか本当にやるのか……とびっくりしている。 観客で密状態になった沿道とキラキラした笑顔のランナーの映像を観て、どう思えばいいのか……と唾を飲み込むばかり。 お祭りじゃなきゃ、復興にならないのかな? 東北の震災以降10年経ってもいまだに約4万人の方が避難生活を余儀なくされているという事実にくらくらしてしまう。 *** あまり遠い目標は忘れちゃうしダレちゃうから、とりあえず次の3ヶ月、充実させよーって気持ち。ひとまず次のリモートミーティングだけ決めちゃうか。 桜、今夜の雨に負けないで。

GW=がんばれわたし

GW=がんばれわたし

コットンフラワー 、植える場所をしくじって雨で流されてしまったので植木鉢でリトライしてみる! 食いしん坊すぎて、畑の面積99パーセントを食べられる植物のために使ってる。 人のことを言ってられないくらい私も多忙が極まってきた。 5月は執筆業の締め切りもいっぱいある。 うおー! 思わず「今月の目標」みたいなことを熱く書いた紙をデスクの前に貼ったよね。 今月乗り切れるかどうかはこの連休どこまで進められるかにかかってる気がする……。 春眠舎としては、週に1回程度のリモートミーティングを続けてますね。 編集もいい流れで、この手応えを手放したくないところ。 本当に本当にうれしい報せもあったね。 長く時間をかけて関わってきたことだからこそ。 コロナさえなければ飛び回って会いに行きたい人がたくさんだ。 紫陽花が色づいてきた。これ、どんな色になるのかな。

よりミクロな記録になります

よりミクロな記録になります

しおりから、 「diaryページに一行でもいいから、今日をどう感じて生きたかを記録することを自分に課した方がいいような気がした」 とメッセージをもらって、方針変更することになりました。 これまでは春眠舎やお互いの活動をゆるく記録していく感じになってたけど、 そもそも最初は「日記」をやろう、ということから始まったんだった。 1週間を振り返るのも日記、昨日のことを書くのも日記。でも短くたってその日を書き付ける、ということに重点を置いていく。当日性を高めていく。 書くことが思いつかなければ「書くことがない」でもいいから、とにかく交互に書いていこう。 *** 2021年5月16日 さっそくなんだけど、ここには決して書けないようなことが起こった。 「書くことがない」。 (笑) いやいや、書ける範囲のこともたくさんありますよ。そっちのほうが9割なのに、言えないわ〜ってなるとそっちに頭がいってまうねん。 今日はですね。朝、ドーナツを齧りながらしおりとメール。共感しあったりなぐさめあったり。菩薩のように優しい人の存在に共に癒されたり。優しい人は幾多もの修羅場をくぐり抜けてきたに違いない。身の回りの優しい人をあつめてあの人はなぜ優しいのかっていうのを映画にしたいよねとか話した。世界をやさしくする作品を作りたいけど、その前にまず自分がやさしくない、だめだめすぎてほんとしっかりしろ私と思ったり。 ツイッターのタイムラインにウィシュマさんの葬儀の写真が流れてきて、心の中で手を合わせる。あまりにもひどい出来事で毎日気持ちがおさまらない。 最近特に、この世は恐ろしすぎると思う瞬間が多い。自分だけ無事にあたたかい部屋でご飯を食べているときでも、世界って美しいなと心から思えない。 午後。やることいっぱいなのに眠くて力が出ないので、ラジオを聴きながら頭を使わない作業を進める。「マヂカルラブリーのオールナイトニッポンZERO」とpodcast「Over the sun」。先週のマヂラブANNゼロでアニメぼのぼのの主題歌『近道したい』が流れたのをきいてからずっと鼻歌がそれ。 今日どれだけ頑張れるかで月曜日からの一週間が少し楽になるかどうかかかっている。♪たまには近道をしたいだめかしら〜 *** 世界を美しいと思えないけど、でも、いままでの自分よりは今日の自分が好きだし、元気だし、おれにできることはまだある、という気持ち。根がネガティブというか心の風景が夕焼けがちなセンチメンタル人間なので日記を書くとアンニュイになっちゃうから心配されることも多いんだけどめちゃくちゃ元気です!!!ちゃんとおなかもすいてるし。 明日はしおりで明後日はわたしね。 昨日の散歩で会ったネコチャン 少し警戒された

おいしい?って聞けない

おいしい?って聞けない

朝、目覚ましをかけていたつもりのスマホの充電が切れていて寝坊する。 雨が降っていたのでフードをかぶって畑の様子を見る。2週間前に種を蒔いたジャイアントピーマンがついに発芽していて「ついに〜!」と声が出る。 午前中にガイド作業を進めて、いつものように11時20分になったら昼食を作り始める。エビと自家製ルッコラのジェノベーゼパスタ、野菜スープ。麺料理って2人前までだと時短だけど5人前はむしろ手間。麺茹でるの2回にわけなきゃだし、そのために2回お湯を沸かしたりソースも2回に分けて炒めたり、完成タイミングがバラバラになるのに、伸びたりくっついたりするのが不安で早く食べてほしくて焦る。それを忘れて毎回楽をしようと麺料理にして自滅してる。今日も想定より時間がかかったけどおいしかったからギリ許せた。 「政府が入管難民法改正取り下げ方針決める」という記事が目に入る。ひとまずよかった。 午後、風船を11個膨らまして酸欠になる。塗料の差なのか、赤や青は軽く膨らむけどゴールドの風船はキツい。いちごフルーチェを作って食べる。 15時から仕事に集中していい時間をもらっているのに、風船の後遺症で昼寝をしてしまう。なんとか起きて畑にかんする原稿を書く。ちょっとこれ卒論より長くなりそう。とりあえず書いてあとで削ることにする。最近思うのは、ゆっくり考えればもっといいのが書けるはずとか自分に期待したりせずにどんどん書くことが大事。書いてから考える。 18時になったら夕食を作ることになっている。今日は鶏胸肉でチキンカツ。アボガドタルタルでお願いします。ピーマンとエリンギのきんぴら、もやしねぎ中華スープ。アボガドタルタルがちょっと足りない気がしてヨーグルトを少しだけ入れたらとても水臭くなって後悔する。チキンカツはやっぱり胸肉だよね。胸肉はやっぱりチキンカツだよね。と言いながら揚げてるそばから3切れ食べる。つまみ食いの域を越える。 こんなにおいしいのに、家族が誰もおいしい、と言ってくれない。でも「おいしい?」と聞くと「おいしい」としか言えなくなるだろうし、おいしいの脅迫になるので我慢する。おいしいか聞きたい。自分から聞いたら終わりだ。タルタルつけたほうがいいよ、とかに留める。最終的においしいか聞く。 揚げ物で顔がベタベタな気がするのでシャワーを浴びる。スマホを触らないように遠くに置いて別の原稿を書く。今日のノルマ分は書けたけど全体的に遅れている。遅れを取り戻す余力があるようなないような感じ。ないかも。ストレッチして股関節を痛める。 22時。あとはメールの返信をいくつかしたり、パンダ音楽祭のテーマのギターを練習したり、毎週楽しみにしている『大豆田とわ子と三人の元夫』の見逃し配信を観たり、ビールを飲んだりして、寝ます。 (にんじんの葉の再生栽培。使い道があまりないけどかわいい)

世界は美しいと信じさせて

世界は美しいと信じさせて

朝、なんらかのサイレンで目がさめる。夢だったかもしれない。サイレンを聞いていつも思い浮かぶのは空襲警報と甲子園。 1週間の始まり。気合いをいれるためにきゅうり、サーモン、ディルをのせたトーストをこしらえる。 仕事のメールを送る。原稿のメモを準備する。 実はこの書く前の思想メモが大事なのだと、最近になってやっと気づいた。メモができたらもう半分以上書けたようなもの。原稿はまだ一文字も進んでいないけど、メモが出来上がったのですっかり安心して昼食の用意に取り掛かる。 自家製かぶのそぼろあんかけ、あまから手羽中、庭小松菜ナムル、豆苗スープ。かぶとあんかけの相性ばつぐんだ。 午後、フルーチェ作り、かくれんぼ。「隠れて!」じゃなくて「隠して!」と言われるので、洗面所に自分を隠す。 休憩。またネットで新しい種と苗を買った。もう植えるところなんてないのに。もう本当に植物を育てることが心の拠り所になっている。依存している。人間の世界から目をそらして、植物の世界に入り浸っている。 書評を書いて提出。 一つ原稿を終わらせたごほうびに散歩に出かける。暑くも寒くもない極上の気候。本当にごほうび。時間のごちそう。 帰宅して急いで夕食を作る。アサリの酒蒸し、ベーコンとズッキーニ炒め、青梗菜のオイスター炒め、のこりものスープ。ズッキーニ育てたいな。でも、ものすっごい場所とる。人の畑で見た。すさまじかった。動物園で一番大きなゾウガメ、ぐらいの大きさ。やりがいすごそうだな。 食べ終わった後「JOC幹部が飛び込み自殺」というニュースを目にして絶句する。絶句したあと、やっぱり……とか、またか……というふうに思ってしまったことが悲しい。何も知らないけれど。うっすらとでもこんなこと予感したくなかったし、あってはならないことに慣れたくない。

切り干し大根だけ

切り干し大根だけ

2/14(月) 午前3時、子どもが「うんこ」と言う声を聞いて飛び起きる。 急いで1階のトイレに連れて行ったけどおしっこだった。うふふ、となんだか嬉しそうにしている。ねよねよ、と寝室に戻る。 発表会なのにダンスの振り付けを覚えていない、学校に来ていく服が思いつかない、でももう家を出ないと遅刻する……という夢を見る。ずっと焦っていて疲れた。 午前、来週締め切りの原稿を1時間だけやる。手をつけるだけ偉いよ、と自分を過剰に褒める。 キャベツのペペロンチーノ、もやし水菜スープ、青椒肉絲を作る。 遠くの無人販売所まで散歩、往復2時間。切り干し大根しか売ってない。 企画を考える。昨日まで全部面白いアイデアだと思っていたのに、今日はなんだか陳腐なわりに実現不可能なものばかりに見えた。 吉報が舞い込む。ありがたい。自分の実力や労力というよりもラッキー要素が強い。むちゃくちゃ嬉しいはずなのにとても冷静。 石川淳『普賢』を読む。めちゃくちゃ読みにくい。あまりにわけがわからないので途中であらすじや登場人物を調べたけれど、それでも頭に入ってこない。検索すると誰もが読みにくいと言っていて安心した。このメタでカオスで読みづらい文体が特徴らしい。 我慢して読んでいるとたまにかなり印象的な文章に出会う。 「字をならべる、それが何かをあらわす。不思議な習慣があったものだ。その代り、おれにはアルコールがある。アルコールの中でもとくにまずい焼酎が。このまずさで人間くさい精根を削り落とすのがわが転生の秘密さ。アルコール。と、たちまち……いや、この秘密は語るまい。今やおれは宇宙の魑魅魍魎だ。」(石川淳『普賢』) なに言ってるんだろう。と思いつつ面白い。カルト映画のような味わい。 お酒を飲みながら読むとわけのわからなさにドライブ感が足されて良い。たまになにかが光るので、宝探しのような感覚。 少し踊って寝る。